しみの対処法(家庭版)
■ しみの基本事項 ■
● シミは迅速な措置が大切です、当該素材を染色している訳ですから、時間を経れば衣料
を損傷する恐れがあり、元の染色も落ちてしまいプロにも手に負えません。 シミ落としは、
時間の勝負と言えます。
2日以内なら 90%のシミが落ちる
1週間以内なら 50%のシミが落ちる
1ヶ月以内なら 10%のシミが落ちる
1ヶ月を経過すると 絶望的です
色抜き・色掛けしますと、2万円から10万円を要します できるだけ早く専門家に依頼し
ましょう。
● シミを付けたら、絶対にこすらないでください。
軽く叩き出すのが基本です、固形物は、ティシュ等でつま み取ります。
こすることは、シミを繊維に染色する行為です、繊維が毛羽立ち、シミ染色堅牢度が高ま
り落ちません応急処置を基本として、専門家に依頼しましょう。
■ シミの種類 ■
シミの種類は大きくけて、水溶性及び、油性、不溶性のシミの三つに分類できます。
見分け方は、太陽光線等の光に透かしてみてクッキリとにじんでいたら水溶性、縦横に線が入っ
ているような感じがしたら油性、なんとなくぼんやりにじんでいたら不溶性と覚えて置くと役立
ちます
■ しみの対処法 ■(シミに対する基本・即座に対処する方法です。数日後対処はしないで下さい)
● インク
青インクは、歯ブラシか綿棒に漂白剤を薄く含ませてたたき、水を付けて漂白剤を落とし、
シミが抜けるまで繰り返します。
赤インクは、オキシドールを付けて、上記と同じ工程を行います。
● ミルク(母乳ではありません、母乳を一般の方が完全に落とすことは無理です)
お湯の使用は厳禁です(タンパク質が固まり落ちなくなります)。
ミルクを付けたら、水で絞った布などでたたきとっておきます。
歯ブラシにベンジンを含ませて油成分をたたいて落とし、タンパク質分解酵素入り洗剤で
再度軽くたたきます。
● コーヒー・お茶
中性洗剤を歯ブラシに含ませてたたき落とします。
日数のたった物は、先に水を含ませた歯ブラシでたたいてシミを落ちやすく、それから中性
洗剤で処理します。
● お酒
消毒用アルコールか無水エタノールを歯ブラシに含ませて軽くたたき、その後、中性洗剤で
軽くたたきます。
● 果汁
中性洗剤を歯ブラシに含ませてたたき、水で洗剤分をきれいに洗い流します。
天然果汁は、色素が残りますので、あとにアルコールをつけてたたきます。
落ちないときは、漂白剤で!
● 血液(翌日までが限界・プロも1週間程度が限界、しみ落とし料金手数料1万円掛かります)
水で濡らし石鹸でこするか、酵素入り洗剤をつけた歯ブラシで、たたき落とします。
それで落ちないときは、オキシドールか液体酸素系漂白剤を使用します。
● 墨 (当日の時間勝負です) 墨汁では、ありませんご注意ください。
シミの箇所(大きくでなく指先で細かく揉める程度)に、7分がゆ(米)をすり込み 固形石
鹼をしっかりすり込みます。
指先でしっかりもみ、不要布(雑巾のようなしみこみやすい品がよいです)にしみこませます
何度も繰り返す根気が必要です。【墨汁は、まったく異なりますので、ご注意ください。】
● 朱肉(翌日までが限界)
歯ブラシか綿棒にベンジンを含ませて朱肉の油分をたたき出します。
残った油分は、アルコールで叩き出して処理します。
● 靴墨(翌日までが限界)
歯ブラシか綿棒にベンジンを含ませて油分をたたき出します。
ベンジンが完全に乾いてから、脂肪分解酵素入り洗剤で叩きます。
輪シミを残さないようくれぐれも注意が必要です。
● 油しみ
ベンジンを付けた布でたたき落とし、よく乾燥させた後、洗剤液を歯ブラシに付けよくたたき
出します。 洗剤分も水でたたいて出す。
● 香水(当日の時間勝負)
香水は、時間の勝負です。 時間の経た物は、落ちません。
歯ブラシか綿棒にエタノール水溶液を含ませてたたき出します。
エタノールがなければ、消毒用でも結構です。
香水のシミは、素材の色抜けを起こすことがございます。色掛け(万円単位)が必要になります。
● 口紅
歯ブラシにベンジンを含ませてたたき出します。
色素は、中性洗剤を付けてたたき出します。 落ちなければ普通の洗剤をご使用ください。
● クレヨン
歯ブラシにベンジンを含ませてたたき、完全に乾いてから脂肪分解酵素入り洗剤でたたき
出した後、水で洗剤分をよく洗い流します。
● カレー
ぬるま湯に溶かした中性洗剤を歯ブラシに付けてたたき出します。
後に残った黄色の色素は、塩素系か酸素系漂白剤で漂白してください。
● しょうゆ・ソース
中性洗剤を歯ブラシに付けてたたき出します。
白色のもので薄く色が残ったら素材に適した漂白剤を使用します。
● ファンデーション
歯ブラシか綿棒にベンジンを含ませてたたき出します。
ベンジンが完全に乾いてから脂肪分解酵素入り洗剤でたたき出します。
絶対にこすらないことです。
● ボールペン
シミのついた箇所の下にタオルなどを置き、住まいの洗剤を歯ブラシに含ませてたたき出します。
洗剤分を水でたたいてよく落とします。
● 泥はね
乾いていることを確認してから、表面の泥を落としておきます。
残ったシミは、綿や麻などは、漂白します。
絹は、ごく少量のベンジンで軽く々たたきます。
毛や色柄物は、中性洗剤でたたき出します。